流浪の月

これはみんながおすすめしてるのが分かった。

面白い。苦しい。

人はなんでも自分の思う「型」に当てはめようとし過ぎる。そんなつもりは全くなくても、相手はそう感じるかもしれない。

更紗の幼少期の家内家。素敵だなぁ。

「普通」とは一体なんだ。「思いやり」とは。

自分の勝手な解釈で、それが優しさだと思って接することは怖いこと。良かれと思って、きっとこう思っているに違いない、思いやっているのうに見えて実は傷を抉っているんじゃないか、傷つけてるんじゃないか。

私は今までの人生、相手の気持ちを理解しようと、寄り添おうと(というと大袈裟だけど、なるべく相手の立場に立って物事を考えようと)してきたけど、それって間違いだったんじゃないかって、5年くらい前にやっと気付いた。

■私の心に残った言葉たち

p.296『事実と真実は違う』

事実だ。すべて事実だ。周りを埋め立てられて、逃げ場所がなくなっていく。逃げる必要などないなずなのに、同じ絵の具を使ってどんどん真実とは別の絵が描かれていく。

更紗には文がいて、文には更紗がいてほんとによかった。2人が同じ気持ちでほんとによかった。最近「ミステリと言う勿れ」を観たけど、そこでは「真実はひとつじゃなくて人の数だけあるけど、事実はひとつしかない」、みたいなことを菅田くん(違うな、整くん)が言っていた。んーーー、、、難しいね。まぁどっちも警察の取り調べの状況での話で。刑事じゃないからそういうシチュエーションになることはないけども、でもなるべくフラットに物事を見れるようになりたいなと思う。

p.224 どんな痛みもいつか誰かと分けあえるなんて嘘だと思う。わたしの手にも、みんなの手にも、ひとつのバッグがある。それは誰にも代わりに持ってもらえない。一生自分が抱えて歩くバッグの中に、文のそれは入っている。わたしのバッグにも入っている。中身はそれぞれちがうけど、けっして捨てられないのだ。

なんかこの表現好き。著者の凪良さんの表現は私好みで、特にこの部分が刺さった。理由はよくわからん。きっとみんなバッグを持ってて、捨てたくても捨てられないものが入ってるし、でもきっと誰にも触れられたくないとびきり綺麗なものも入ってたらいいなと思う。

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